「自分の現役生活が成功と言えるのだとしたら、一生懸命にまじめにやってきたことだと思っています。(中略)僕はグラウンドに唾を吐いたりしないし、ごみを見つけたら拾うようにしています。(*1)」
これは32年の現役生活を終えた元中日ドラゴンズの山本昌選手の言葉です。
このような人格を備えた選手こそがまさしく「成功」したのだ、と私も思います。
たまに飛び込んでくるプロ野球界のニュースを見聞きすると、衝撃的でモノも言えないことがあります。
「野球選手である前に一人前の人間であれ」とは口すっばく教育していただいた経験がありますが、野球を通じて人格も備えてほしいというのが私の真の願いです。
先日、グループ・レッスンの際に、仲間がミス(エラー)をしたことに対してからかうという出来事がありました。
私は声を荒げることはありませんが、人を傷つけるような行為に対しては厳しく指導をするようにしています。
ミスをしてからかわれた選手はミスを恐れ萎縮し、悪循環でまたミスをするようになります。
からかった側はエスカレートしてさらなるミスに対してもっとからかうようになります。
野球の指導をしながら、そのような出来事に対しては選手たちに真摯に向き合います。
からかう(蔑む、見下す)のではなく教えてあげ一緒に上手くなろうとすること、つまり仲間と切磋琢磨することを覚えてほしいからです。
この出来事を適当に流してしまうと、選手間でミスを指摘し合うようになり、○○のせいで負けたと責任を押し付けるようになり、他人の粗探しばかりする人間になっていってしまいます。
山本選手のように「一生懸命にまじめに」やっていると胸を張って言えるような野球選手たちへと皆が成長することを願っております。
野球だけではなく、レッスンをしながらそのような人格面の成長もサポートできたらと思います。
*1 http://number.bunshun.jp/articles/-/824796より引用